過去

2002年10月9日
私は普通にメールをしているのに、英雄は恋愛モードの返事。
「そうじゃなくて・・・」
何度も何度もやんわりと遠まわしに話をもとに戻していた私。
まさしのことをぽつりと話をした。

「メル友に何を求めているの?」

英雄はそういった。
何って・・・なんだろう・・・
今までのまさしとのことを話始めた。
今の心境も。

「実はね・・・」

英雄は自分の過去を話始めた。
英雄は前の奥さんと自分の母親の間に立っていた時、
疲れを癒そうとスナックへ通いはじめた。
お店のママさんを慕ってくるお客で賑い、雰囲気がよくて、
居心地がよかった。
そのママを手伝っている若い可愛い娘がいた。
話をするうちに親しくなり、次第に店外でも会うようになっていった。
お互いにプレゼント交換をしたり、カラオケいったり、
食事をしたり・・・英雄にとってそれは初めての不倫となっていった。

奥さんと別れ話が持ち上がった。
いくら英雄が頑張っても、もう無理だということに。
子供の親権や何やで店への足が遠のいた。
離婚成立。
晴れて彼女と正々堂々と付き合えるとなった時、
彼女は英雄のもとから黙って去って行った。
思い出だけを残して。

「不倫なんてするもんじゃないよ」
英雄はそう言いたかったのだと思う。
恋をするなら自分と・・・って思いもあったのだろう。

煮え切らないまさしへの思いを抱いたまま、英雄とのメールは続いた。

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